樹の下に生まれたジン

「香港らしい香りを捉えるのが、ずっと僕たちの夢でした。ジンの伝統的な醸造精神をキャンバスに見立て、その上に懐かしく伝統的な香りやアロマを大胆に描き綴り、爽やかな風のように、僕たちが想い描く香港をお届けします。」 ーー「白蘭樹下」創業者・張寅傑(Kit Cheung) 時代が移り変わり、幾重にも織り重なるこの街の特徴的なコントラストを物語として語るのは容易なことではない。しかし、JosephとKitの、「今までにない香港を代表するジンを創り出す」という決意が揺らぐことはなかった。複雑ながらも調和する香港文化を表現するため、ローカルの農業者や仕入先と緊密に協働し、香港のテロワールを理解する努力を怠らなかった。こうしてようやく、厳選した香りや喚情的なボタニカルを「白蘭樹下」に詰め込み、香港の身も心も捕らえた一本が完成。眼を閉じて口にすれば、それはまさに彩のある香港の街の中に佇んでいるよう。

Perfume Tree Gin

樹の下にいる人々

白蘭樹下の木陰で…

香港オリジナルのジンの先駆者として誇りを持つ「白蘭樹下」。中華圏においてだけでなく、国際的に重要な酒類コンクールで多数な受賞歴を持つジンでもある。

香港の歴史と文化は、非常にユニークかつ複雑で、興味深い。この織り成す糸のような文化的・歴史的背景からインスピレーションを受け、創造されたこのジンからは、さまざまな身分を持つ香港人すらも垣間見ることができる。民族的には中国人だが、広東語という言語から食事、日常やテイストに至るまで、イギリスをはじめとする西洋や世界各地の多様な文化の影響を受けて今日に至る。香港人も「白蘭樹下」も、そこから生まれた独特なブレンドだ。

キット・チョウ

香港生まれ香港育ちの張寅傑(Kit Cheung)は、「白蘭樹下」創造の原動力だ。香港有数のミクソロジストとして、香港とヨーロッパ各地にて18年以上のバーテンダーとバーコンサルタントを経験。美しく、完璧にバランスの取れたカクテルを創作・提供する傍ら、カクテル作りにおけるアート・パフォーマンスも披露している。ヨーロッパから帰国した後、香港でバーテンダー養成学校を立ち上げ、世界的に有名なカクテルを教える傍ら自らの独自の手法も伝授している。

ジョセフ・チョウ

もう一人の創立者・張頴雋(Joseph Cheung)は、同じく香港で生まれ香港育った、「白蘭樹下」を支える優れたブレーン。同じく香港での生まれ育ち。元々は集中治療と心臓治療が専門の看護師で、法学部修士学位の持ち主だが、Kitのミクソロジー授業に参加したことがきっかけとなり、彼と共にジンの道を歩み始めた。

樹の下にできた、小さなクリエイティブラボ

「酔っているときに言ったことは、しらふの時に実行するのがよい。そうすれば、『余計なことは言わない』ことを学ぶだろう。」” – アーネスト・ヘミングウェイ より

香港の都心を離れた、近郊のエリア。昔の香港を思わせる青いタイルの民家を、KitとJosephは小さなクリエイティブラボに改築した。最初は、ただ2人がアイデアを探り、それを友人と共有するための場所にすぎなかった。しかし、テイスティングを繰り返し、差しつ差されつの夜を重ねるにつれ、町を代表するスピリッツを創りたいという強い思いが生まれた。時代を経てこれがまさに歴史となった今、ヘミングウェイの言葉には反するが、あの時ジンに酔いながら余計な話をたくさんしたことを、とても嬉しく思う。