樹の下で生まれたジン

樹の下で生まれたジン

香港の風土と香りを誠実に表現しようと、キットとジョセフは1年以上にわたって、地元の農家や業者と綿密に共同作業を続けながら、ボタニカルの持つ特質や個性を学び、最終的にはその複雑な風味を生かす、絶妙なハーモニーとバランスにたどり着いたのです。完成したのは、香港そのものである情緒と心意気を麗しく完璧に封じ込めた、究極のジン。どこにいても一口飲むだけで、色鮮やかな香港の街角に心を運ばれ、夏の日のそよ風とうっとりするような郷愁に満ちた花の香りが漂うのです。

その生き生きとした味わいで、「白蘭樹下」は発売以来、香港人に深く愛されているのに加えて、主要な国際スピリッツ競技会のアワードを総なめにするなど、国境を越えた吸引力を発揮しています。

主な受賞歴

  • 2020 World Gin Awards
    Best Design Label
  • 2019 Gin Masters Asia (UK)
    Gold
  • 2019 World Gin Award (UK)
    Best Contemporary Dutch Gin
  • 2019 International Wine and Spirits Competition (UK)
    90 pts
  • 2019 Gin Masters (UK)
    Silver
  • 2019 China Wine and Spirits Association
    Double Gold
  • 2019 SIP Award (USA)
    Platinum - Best Of Class (Gin)

白蘭花

「白蘭花」(英語でChampaca、台湾では玉蘭花)は、香港のいたるところにある常緑樹で、長年にわたり風雨に打たれながら、香港の移り変わりを見届けてきました。この「白蘭樹下」の魂と息吹は、何世代にもわたる香港の物語を包み込んできたのです。

夏の日の香港に漂う、白蘭花のそこはかとない香り。優雅だけれども落ち着いたこの小さな白い花は、街角で白蘭花を売る老女たちの生計を支えてきました。一方で、この花から抽出されたエッセンシャルオイルは、世界で最も高価なエッセンシャルオイルの一つとして知られており、最高級の香水によく使用されているのです。

一般的なジンブランドでは、乾燥ボタニカルを使用することが多いのですが、「白蘭樹下」では新鮮な白蘭花を使用して、清らかな香りを取り込むことにこだわりました。白蘭花の保存期間は大変短く、常温に約6〜7時間置いただけで枯れ始めてしまいます。香港が近代化した後、ほとんどの農家は香港を離れており、現地で高品質の白蘭花を安定して確保することは非常に困難でした。約1年の調整期間を経て、ようやく台湾の有機花農家から調達できるようになりました。

白蘭花の物語

白檀

かつて世界各地に向けたスパイスやお香関連産品の貿易中継港として賑わっていたことから、「香しき港」として名付けられたのが「香港」。当時のお香関連産品の代表だったのがインドの「白檀」です。神聖な香りとして奉られることが多く、今でも香港の寺院は白檀で作られた線香の香りが充満しています。

港から港へと往来した歴史の名残に満ち、今もなお愛されている白檀の香り。私たちは香港で創業100年を超える老舗「永利檀香」から白檀を仕入れて、「白蘭樹下」に歴史の息吹を溶け込ませています。

白檀の物語

15年熟成陳皮

香港の街を歩いていると、夏の眩しい日差しの下で、陳皮にするために金柑の皮が道ばたに干されているのを見かけることがあります。「陳皮は黄金に等しい」ということわざがあるほどで、キットとジョセフはこの伝統的で貴重な漢方薬剤を、創業50年になる家族経営の乾物店「同昌海味」から調達することにしました。

「同昌海味」三代目の李漢興さんは、ほほえみながら想い出を語ってくれました。「同昌海味の創業は1971年ですが、家族は一世紀以上にわたり乾物の取引に関わってきました」。熟成によって皮の苦みは和らいでいきます。李漢興さんは「陳皮が古いほど香りが良くなると誤解している人が多いのですが、必ずしもそうとは言えません。熟成した陳皮の香りは表面を見ただけでは分かりません。香りを解き放つには、皮を崩す必要があります」

中国の薬用酒に陳皮を漬け込むのは珍しくありませんが、ジンに使用されるのは初めてのことでしょう。「白蘭樹下」チームはきめ細やかな配合やテイスティングをさまざまな熟成年数の陳皮で試した結果、ジン蒸留の際に最も陳皮の素晴らしさを発揮できるのは15年ものであると判断。金柑の皮が持つ苦みが熟成によって和らぎ、甘みのある柑橘系の風味のみが残ります。従来のジンで使われるグレープフルーツやレモンの皮の役割を、漢方の薬効も持つ熟成15年の陳皮が果たすことで、東洋の伝統を受け継ぐ風味が「白蘭樹下」の魅力をさらに高めています。

陳皮の物語

龍井茶(ろんじんちゃ)

「白蘭樹下」の原料は一つ一つ、キットとジョセフが細心の注意を払いながら選び抜いています。龍井茶は香港で50年以上の歴史を持つ「茗香茶莊」のものを選びました。三代目店主の陳政建さんは、茶葉に囲まれて生まれ育ったと笑いながら話してくれました。「1963年に創業し、父が自転車で走り回って茶葉を販売していました。その後、2人の茶名人に出会い、指導を受けて父は茶を深く学んで行ったのです」

龍井茶の茶葉について、陳さんは「最も重要なのは新鮮さと、炒った豆のような香ばしい香り」と語ります。貴重な知識は次代に伝えられ、「茗香茶莊」では茶葉選びと焙煎技術が数十年にわたって継承されています。これが「白蘭樹下」の中に濃厚で豊かな味わいのベースになっているのです。

龍井茶の物語

当帰

伝統的なジンの中で、アンゼリカ(西洋当帰)は、敢えて語られることが少ないものの、ジンのさまざまな味わいを調和させてまとめ上げるための重要なボタニカルです。「白蘭樹下」ではアンゼリカの代わりに、中国の貴重な漢方薬剤でもある当帰を選びました。温かな大地と甘草の風味が漂い、漢方薬の香りがゆったりとしたアフターテイストに変わっていきます。

「白蘭樹下」は、香港の小さな現地生産者や家族経営企業と手を取り合うことに、大変大きな精神的価値を置いています。私たちが選ぶボタニカルは、品質と供給が常に安定している必要があります。歴史ある老舗は何世代にもわたり、最も正統的な風味を維持しています。その確かな味わいは「白蘭樹下」への自信につながっていて、私たちは香港から始まる味覚の旅を、世界の隅々にまでお届けすると心に決めています。

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